脳神経外科

脳神経外科

脳神経外科は、脳・脳血管・脊髄・末梢神経に関わる病気を対象に、症状の評価から診断、治療方針の検討を行う診療科です。
状態に応じて内科的治療や経過観察を行い、必要な場合には外科的治療(手術)を含めた方針を検討します。

対象となる病気には、脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)、頭部外傷、脳腫瘍、脳動脈瘤、頸動脈狭窄、水頭症、脊椎・脊髄疾患などがあります。

外来では、頭痛、めまい、しびれ、手足の脱力、ろれつが回らない、見え方の異常、もの忘れなどの症状について、神経系の病気が関係していないかを評価します。
問診と神経学的診察を基本に、必要に応じてCT・MRIなどの画像検査、血管評価、超音波検査などを組み合わせて総合的に判断します。

当院では、検査結果と症状の経過をふまえ、内科的治療・生活習慣の管理(脳卒中予防)・経過観察を含めて適切な方針をご提案します。
受診の目安:いつもと違う症状、急に出た症状、症状が続く場合はご相談ください。

地域住民の皆さまの「かかりつけ医」です

当院の院長は、これまで脳卒中診療を中心とした急性期医療に20年以上携わってきました。
急性期の診療を通して、治療開始が早いほど、その後の生活に影響することがあるということを日々実感してきました。
とくに、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの「あたま」の病気は、発症後の対応がその後の生活に関わることを痛感してきました。

また、日常的によくある頭痛、めまい、ふらつき、動悸などの中にも、重大な病気が隠れていることがあります。症状の経過や背景を丁寧に伺い、検査を行うことで、早期発見・早期対応につながる場合があります。

当院では、神経学的診察を基本に、必要に応じてCT・MRI・超音波検査などを組み合わせて評価し、脳や血管の状態を確認したうえで、適切な対応をご提案します。
地域の皆さまにとって、気になったときに相談でき、必要な医療につなげられる身近な「かかりつけ医療機関」でありたいと考えています。
受診の目安:健診で異常を指摘された、症状が続く/繰り返す場合はご相談ください。

このようなときは当院をご受診ください

  • 頭が痛い/頭が重く感じる
  • 頭をぶつけた/頭にけがをした
  • めまいがする/ふらつく
  • 自分や周囲がぐるぐる回っている
  • 目の前が真っ暗になった
  • 物が二重に見える/見えにくい
  • 吐き気がする
  • 手足がしびれる/力が入りにくい
  • ろれつが回らない
  • 言葉が思うように出てこない
  • 物忘れがひどくなった
  • 耳鳴りがする
など

頭部外傷(あたまのけが)

頭部外傷は、頭をぶつけた後に起こるさまざまな状態の総称です。
皮下血腫(たんこぶ)のように経過観察でよいこともありますが、頭蓋骨骨折や、頭の中に出血が起こる硬膜外血腫・硬膜下血腫・外傷性くも膜下出血、脳の損傷である脳挫傷などが隠れていることもあります。
受傷直後は軽症に見えても、数時間~数日後に出血が増えたり脳挫傷が悪化することがあります。
また、軽く頭を打った場合でも、1~2ヶ月程度かけて頭の中に血がたまる(慢性硬膜下血腫)ことがあり、頭痛やふらつき、麻痺などの症状が出る場合があります。

これらの評価には画像検査が重要で、頭蓋内出血や骨折の有無の確認にはCTが有用です。
さらに、症状や経過から脳挫傷などが疑われる場合には、MRIが診断の助けとなることがあります。
受傷状況や神経学的所見をふまえ、必要に応じてCT・MRIなどの検査をご提案します。

意識がはっきりしない、嘔吐を繰り返す、けいれん、大量の出血、様子が急に悪くなるなどがある場合は、救急車(119)の利用を含め、早急な受診をご検討ください。
受診の目安:頭をぶつけて心配なとき、頭をぶつけた後に吐き気/嘔吐があるとき、見えにくい/二重に見えるとき、1~2ヶ月後に頭痛やふらつきが出てきた場合はご相談ください。

頭部外傷

脳卒中

脳卒中とは、脳の血管が詰まる(脳梗塞)、または破れる(脳出血・くも膜下出血)ことで、脳の働きに障害が起こる病気の総称です。
脳卒中は突然症状が出ることが特徴で、代表的な症状として片側の手足の麻痺がみられます。
その他に、しびれ、ろれつが回らない、言葉がうまく出ない、見え方がおかしい、意識がはっきりしないなどの症状がみられることがあります。
とくに、高齢の方や、高血圧・糖尿病などの基礎疾患がある方は注意が必要です。

また、一過性脳虚血発作(Transient Ischemic Attack:TIA)といって、脳の血流が一時的に低下し、麻痺や言葉の出にくさ、視野の異常などの症状が数分~数時間で改善することがあります。
症状が消えても安心はできず、脳梗塞の前触れ(警告サイン)である場合があるため、早めの受診が重要です。
TIAが疑われる場合は、症状が改善していても当日中(できれば早め)の受診をご検討ください。

脳卒中は早期の対応が重要で、症状が出てから時間が経過すると重い状態になる場合があります。
できるだけ早めに医療機関を受診することが大切です。
診断や治療方針の決定のために、CTやMRIなどの画像検査が重要です。

FAST(脳卒中の見分け方の目安)

  • F(Face):片側の顔がゆがむ/口角が下がる
  • A(Arm):片腕に力が入らない/上がらない
  • S(Speech):ろれつが回らない/言葉が出にくい
  • T(Time):1つでも当てはまれば、救急車(119)を含め早急に受診をご検討ください。

※FASTは、救急現場で用いられるCPSS(シンシナティ病院前脳卒中スケール)と同様に、顔・腕・言葉の異常に着目した簡便な確認方法です。

EASTで脳卒中を見分けよう

脳梗塞

脳梗塞は、脳の血管が動脈硬化などで細くなる、あるいは血のかたまり(血栓)が詰まることで、その先に血液が届かなくなって脳細胞が障害を受ける病気です。
詰まった部位によって症状は異なりますが、片側の麻痺・しびれ、ろれつが回らない、言葉が出にくい、見え方の異常(視野障害)、意識障害などが起こります。

脳梗塞は幾つかのタイプに分かれ、代表的なものとしてアテローム血栓性脳梗塞、ラクナ梗塞、心原性脳塞栓症があります。

  • アテローム血栓性脳梗塞:動脈硬化で狭くなった太い血管に血栓ができ、血管が詰まるタイプです。高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病が関係することがあります。
  • 心原性脳塞栓症:心臓内にできた血栓が血流に乗って脳へ運ばれ、脳の太い血管を詰まらせるタイプです。心房細動などの不整脈が主な原因となります。
  • ラクナ梗塞:太い血管から枝分かれした細い血管が狭くなって詰まるタイプで、高血圧などの影響が関係することがあります。

麻痺やしびれ、言葉のもつれ、見え方の異常などの症状が突然出た場合は、時間がとても重要です。
救急車(119)の利用も含め、早急に受診をご検討ください。

アテローム血栓性脳梗塞/心原性脳塞栓症/ラクナ梗塞

脳出血

脳出血は、脳内の血管が破れて出血し、脳の組織の中に血液が漏れ出す病気です。
動脈硬化などによって血管がもろくなっているところに、高血圧などの影響が加わることで起こることがあります。

出血した血液は固まって血腫(けっしゅ)となり、血腫が大きくなると脳を圧迫したり、脳の中の圧力(頭蓋内圧)が高くなったりして、症状が悪化することがあります。
その結果、片側の麻痺・しびれ、ろれつが回らない、言葉が出にくい、意識がはっきりしないなどの症状がみられることがあります(症状は出血した部位により異なります)。

脳出血は緊急性が高い場合があります。
疑わしい症状があるときは、救急車(119)の利用も含め、早急に受診をご検討ください。

脳内出血

くも膜下出血

くも膜下出血は、脳の表面を覆う「くも膜」の下の空間(くも膜下腔)に出血が起こる病気です。
原因としては、脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう:脳の血管のこぶ)が破れることが多く、まれに血管の異常や原因不明のものもあります。

代表的な症状は、突然起こる強い頭痛です。
その他に、吐き気・嘔吐、首の後ろの痛み(項部痛)、意識がはっきりしない、けいれん、まぶしさを強く感じるなどの症状を伴うことがあります。
症状の現れ方には個人差があり、必ずしも典型的でない場合もあります。

くも膜下出血は緊急性が高い病気です。疑わしい症状があるときは、救急車(119)の利用も含め、早急に受診をご検討ください。
とくに、突然の強い頭痛に加えて、吐き気・意識の変化・けいれんなどを伴う場合は、早急な対応が重要です。

くも膜下出血は、出血の程度により重篤になることがあります。
また、出血の原因が脳動脈瘤である場合、短時間のうちに再出血するリスクが指摘されており、状況によっては入院のうえで治療が必要となる場合があります。

くも膜下出血

脳腫瘍

脳腫瘍は、脳や脳を取り巻く組織に生じる腫瘍の総称で、良性のものから悪性のものまでさまざまです。
年代を問わずみられ、原因や発生部位、種類によって症状や治療方針は異なります。

診断(評価)には、症状の経過や神経学的診察に加えて、CT・MRIなどの画像検査が有用です。
当院では、受診時の状態や経過をふまえ、必要に応じて検査をご案内し、腫瘍を含む器質的な異常が疑われる所見の有無を評価します。

例えば、頭痛が続く、吐き気・嘔吐がある、見えにくい/視野が欠ける、けいれんが起きた、以前と比べて性格や言動が変わったように感じるなどの症状がある場合はご相談ください。

脳腫瘍には、神経膠腫、髄膜腫、下垂体腺腫、神経鞘腫などさまざまな種類があり、治療方針や経過は種類や部位によって異なります。
必要に応じて、適切な医療機関と連携して対応します。