あたまの形外来とは
主に赤ちゃんのあたまの形が気になる保護者の方のご相談やお悩みに対応した外来になります。
そもそも成人と比較すると赤ちゃんの骨(頭蓋骨)は軟らかくなっています。
このような状態というのは、成長途上でもあり、誰もが育っていくなかで経験していくことでもあります。
ただその軟らかさゆえ、長時間同じ姿勢のままで寝ているようなことなどがあれば、その部位に圧力が常に加わることになるので、寝かせ方によっては、後頭部が真っ平らになってしまう絶壁頭(短頭症)になることがあります(仰向けの姿勢で寝る時間が長い場合)。
また横向きの姿勢で長時間寝ている赤ちゃんであれば、側頭部に圧力が加わり続けることによって、前後にあたまが伸びたような形になる長頭症になるリスクもあるほか、この場合はNICUで数ヶ月過ごした赤ちゃんにもみられやすくなります。
さらに斜頸や向き癖のある赤ちゃんであれば、あたまの形が平行四辺形に見えたり、耳の位置が左右で差が異なったりする斜頸症がみられることもあります。
以下の症状に心当たりがある、赤ちゃんのあたまのお悩みがあるという方は、一度当外来をご受診ください。
- 後頭部の部分が平らなのが気になる
- 頭部で左右差がみられる
- 寝る時は常に同じ方向を向いている
- 左右で耳の位置が異なっている
- おでこが出っ張っているように見える
- 頭蓋骨が何らかの病気にかかっているか心配 など
ゆがみの原因について
赤ちゃんのあたまの形は成長に伴って変化していきます。
生後間もない頃の頭蓋骨は、大変軟らかい状態でもあることから、あたまの形がゆがんでいたとしても、それを矯正していく選択肢はいくつもあります。
この時点で気づいた場合は速やかに当院をご受診ください。
なお赤ちゃんのあたまのゆがみの原因で、最も多いとされているのが位置的頭蓋変形であり、同変形のタイプとしては、先に挙げた、短頭症(絶壁頭)、長頭症、斜頸症が含まれます。
また可能性としては低いですが、頭蓋骨のつなぎ目である縫合線が、通常と比べ早期に閉じてしまうことで起きる病気(頭蓋骨縫合早期癒合症)に罹患していることで、あたまの形がゆがむこともあります。
ただこの場合は脳の成長にも影響するので、速やかな治療が必要となります。
検査などについて
当外来では、あたまのゆがみがみられるとなれば、赤ちゃんのあたまの形を確認するほか、ゆがみの程度や原因も調べていきます。
必要であれば、あたまの形の計測や画像検査をしていくなどして、位置的頭蓋変形によるものなのか、あるいは頭蓋骨縫合早期癒合症等の頭蓋骨の病気によるものであるのかを総合的に判断し、診断をつけていきます。
その結果、位置的頭蓋変形によるあたまのゆがみで、その状態が軽度であれば、寝る向きの姿勢を変えてみたり、向き癖のある赤ちゃんであれば、抱っこの仕方を変えたり、腹ばいで遊ばせたりする等、家庭で行えるケア方法などを医師が保護者の方にお伝えするなどして、その実践をサポートいたします。
治療について(ヘルメット療法)
なおあたまのゆがみの程度が中等症以上であると判断された場合は、上記のケアだけでは自然に改善していくのは難しいことから、ゆがみを矯正する治療のひとつとして、当院ではヘルメット療法を保護者の方に提案しています。
同療法に関しては、生後3~6ヶ月のお子さまに対して推奨しています。
ヘルメット療法とは、頭蓋骨の形状を矯正するヘルメットを装着する治療法になります。
この場合、変形して平らになった部位(後頭部、側頭部 等)の成長を促していくため、その部分のスペースは確保されます。
その一方で、成長を抑えたい部分に関してはヘルメットの内側がぴったり接触する構造になっているので、外側へ出っ張ろうとする力は抑制されるようになります。
これらによって成長しようとする力は空いているスペースに向かうことになるので、あたまのゆがみは徐々に改善していくようになるという治療法です。
当院では、ヘルメット療法が必要と判断した場合、まず医師による視診と3Dスキャンを行い、あたまのゆがみの程度を調べていきます。
何らかの病気による頭蓋骨変形が疑われるのであれば、超音波検査やX線撮影を行います。
3Dスキャンに関しては、頭蓋を計測することでデータなどを取得することができ、目標となるあたまの形を想定したヘルメットを作製するうえで欠かせません。
なお当院はベビーバンド社の頭蓋骨矯正ヘルメットを採用しております。
ヘルメットには既製品はなく、オーダーメイドとなりますので、装着するまでには1~2週間の製作期間を必要となります。
このヘルメット療法は、頭蓋骨が軟らかくて成長スピードも速いとされる生後6ヶ月までに開始することが推奨され、装着時間はお風呂などの時間を除く1日23時間の利用が望ましいとしています。
ちなみに装着して間もない頃は、短時間の使用とし、装着日数を重ねていくごとに装着時間も延長させていき、最終的に 23 時間の装着を目指していきます。
治療期間中は月1回の通院を要し、装着期間は平均して3~4ヶ月程度となっています。
費用について
| 初診時 保険診療 | |
|---|---|
| 頭部3D写真撮影費用 | 5,500円(税込) |
| ヘルメット作成から終了までの診察 | 330,000円(税込) |
副作用について
装着することによる副作用としては、装着部に皮膚トラブル(赤み、ただれ、あせも 等)がみられることはありますが、皮膚症状に関しては適切に管理することによって対応可能です。
このほかにも、皮膚アレルギー、すり傷、骨炎、血腫、斜頸などの報告もありますが、これらが起きる可能性はまれです。